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English afternoon tea

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 まあ、素敵なお茶のテーブルですね。中央の白いバラはアイスバーグ( Iceburg )でしょうか。こんな写真を見ると自分でもこういう English afternoon tea ( English high tea とも言う)をしてみたくなります。

 English afternoon tea というのは、午後5時ごろとる食事で、紅茶と冷たい軽食、ケーキ、ビスケットなどです。この写真ではスコーン、果物のタルト、パウンドケーキと生のイチゴしか見えませんが、サンドイッチ、冷めたキッシュなど甘くない ( savoury )ものもテーブルに上ります。

 多分日本の皆さんの中には、イギリス人の多くが日常的に English afternoon tea を楽しむような暮らしをしている、とお考えの方もいらっしゃると思います。でもそれを期待して英国に行くと少しがっかりするかもしれません。

 日常的に English afternoon tea をする人は(個人的に知っている人はいませんが、そういう人もいると思います)、多分昼食が dinner で温かい(直前に調理された)食事をし、その残りのロースト肉で sandwiches を作ったり、残ったパイやキッシュを小さめに切ってケーキ類と一緒にお茶の席を用意しているのでしょう。

 これは日本式に考える「お茶」というより「食事」です。もちろん5時に食べたきりではお腹がもたないのでこの後夜の9時頃もう1度何か簡単なものを食べます。

 けれども、午後5時ごろという時間、そして昼食が dinner という習慣も、普通の中流のイギリス人(午前9時半から午後5時半まで働く)には無理です。彼らはたいてい核家族なので、もしできたとしてもテーブルがさみしいでしょうね。(デュモーリアの「レベッカ」だったでしょうか、彼女1人のお茶のテーブルにも召使いがいろいろ並べるすぎるので「必要なだけにするように」と言っても又同じようにする、という場面があります)1人分に必要なだけ並べてもさまにならないのですね。

 こういうことの可能な、働く必要のない上流階級のイギリス人は今もこの習慣を守っているのでしょうか。前に挙げた「ムッソリーニとお茶を」や「80日間世界一周」などには、どこでもどんな状況ででも英国の習慣を曲げない、という場面があったように思います。両方とも随分前の話ですが。

 こういうことが週日にはできない現代の働く人たちは、週末に楽しんでいるのではと思う方もいるかもしれません。この事についてはまた回を改めて書きます。どの食事が dinner なのかということについても別の日に。

 ただ、稀であるとはいっても、今になって考えると「あれは English afternoon tea だったのかもしれない」と思うようなものは私も何回か経験しました。1988年から89年にかけてイギリス中部のコベントリーという所でホームステイしていた時のことです。奥さん( landlady ) がアイルランドのカソリックの出身なので、大家族的な要素のある家族でした。よくパーティーをする人たちで、たいてい夫妻の兄弟姉妹とその子供達、時には両親も来ました。たいていは夜7時頃からですが(皆ほとんど勤め人でしたから)、日曜など少し早い時間になることもありました。たぶんあれがそうだったのですね。私は当時は会話もあまりよく聞き取れず理解できなかったのでしょう。

 もし皆さんがイギリスで English afternoon tea を楽しみたいのなら、手っ取り早いのがホテルやレストランでのそれです。予約して、中華料理のようになるべく大人数で行ったほうがよいでしょう。そのほうが楽しく、会話も皿数も多くなると思います。家でする afternoon tea に招待されたなら大ラッキーです。
 
 もっと手軽に少人数でも楽しめる似たようなお茶については、これも別の機会に。

 ところで、私は自分の実際見たり聞いたりしたイギリス社会の様子、それに修了した社会学の記憶をもとにこのブログを書いています。これが絶対にどこででも真実であるとは言いません。イギリスについての随筆を何冊も出していられる方のご覧になった、かなり上流の方向に寄った英国社会とはまた違うと思います。

 ではまた明日。
by MichikoSimon | 2006-10-15 00:14 | イギリスにて
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