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whaling

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 GW ではマスコミなどの調子に「インド、中国そしてそれに続いてくるかもしれない第三世界の脅威」という響きを感じます。 Kyoto Treaty を無視しようとしたアメリカの議論の1部がそれでした。

 現在浪費型のアメリカの carbon footprint は per capita 20トン/年です。中国のそれは3トン位、インドは1.2トン位なものの人口が大きいので(ちなみに日本は10トン位)全体としては多量の carbon dioxide を排出しているということになります。そういう国の国民が現状に甘んじていないで西欧型の(エネルギー浪費型の)生活を目指したらどうなるか?先進国だけに排出規制を課すのはおかしいという論理です。
 
 たしかに今のような形での快適な生活を全員に長期にわたって可能にする程地球は資源があるわけではないことは確かです。でも何か割り切れない気持ちがします。それは whaling に対する非捕鯨国の論調を聞く時に似ています。過去に大量のクジラを狩って、油だけ絞って肉は捨ててきた西欧国、クジラ種激減の元を作った国々が、現在の捕鯨国を幾分感情的にも批判する。鯨保護の必要は確かにあるかもしれないのですが、心に何のかげりもなく一方をあのように非難できるのだとしたら、こわいと思います。

whaling_d0086231_21263695.jpg 「雪原の行進」の比喩というのを随分まえに聞いたことがあります。世界の人々が雪原を行進する。先頭のグループはだれも歩いていない virgin snow の上を歩けます。気持ちがいいですよね。ところが、雪は列のあとになる程踏みつけられ、かき回されて汚れていき、最後の1団は同じ場所でもドロドロのぬかるみを歩かなければならない、ということです。先頭の集団は先進国、後部のグループはいわゆる第三世界の国の人々です。人間は悲しいかな、平等ではないのです。
by michikosimon | 2007-06-27 22:52 | 英語
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