equirectangular パノラマ写真

439

d0086231_21285484.jpg この写真は今月初めにサイモンが撮ったパノラマ写真の1枚です。奈良は室生寺の近くの大野寺です。

 パノラマ写真にはいろいろな presentation の仕方があり(なにしろ3次元写真を平面に表わすのですから)、これはその1つで、equirectangular といいます。

 普通の写真とはちょっと違っていますよね。異様に横長ですが、これは実は360度ぐるりの風景です。左端に近くみごとな紅枝垂桜の幹が見えますが、これは右端に枝の1部が見える同じ木です。

 そして、特に写真の天地がとても不自然に見えますが、それもそのはず、これらは2次元にまとめるため無理に引き延ばされているのです。

d0086231_2147994.jpg 中学か高校でさまざまな世界地図のことを習いましたよね。球体である地球を平面に表わすため人々は昔から苦労してきたようです。equirectangular はその1つで、「正距円筒図法」というそうです。' equi ' というのはラテン語からきている「等しい」という意味の接頭辞で、' rectangular ' は ' rectangle ' 「長方形」の形容詞形です。「等しい」というのは、緯度線の間隔が皆等しいということです。


d0086231_21293373.jpg 赤道のあたりはいいのですが、そこから離れるにしたがって緯度線が引き延ばされていき、両極では1点のはずが赤道と同じに長さになってしまいます。(左図参照)

 同じことが右上の大野寺の写真でも起こっていて、実際の3次元の写真では、しだれ桜は天蓋のように頭上を覆い、地面は丸く撮影者の足下にまとまります。どちらの次元でも撮影者は見えませんが、これこそサイモンの技術の素晴らしいところで、うまく消したのです。

 これはデジタル写真で、パノラマ処理をする際に色合いが変わることがあるのですが、ここに現われている色はオリジナルに限りなく近いと思います。

 時々「サイモンの写真」をもお訪ね下さい。
by michikosimon | 2008-04-21 22:38 | イギリスにて | Comments(2)
Commented by heiwa4126 at 2008-04-22 12:22 x
あはは、さっそくネタになってるし。
この単語綴り難しくて、自分はいつもequirectanglarと書いてしまいます(uが落ちる)。訳語としては「正距円筒」が充てられています。また"PSphere"(たぶんpseude sphereの略)と言われることもあるようです。
Commented by michikosimon at 2008-04-22 20:38
こういう technical term をトピックにすることはあまりないのですが、これはやって正解だったと思います。地図の投影法の詳細はともかく、こういう写真の見方はまだあまり知られていないでしょうから。
<< shadow/shade 影と陰 view/scenery どち... >>