banana ストレス無しの母音は /ə/ と読むと英語っぽい

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d0086231_19334616.jpg 昨日の母音の変化についてもう少し単純な例で説明します。

 ' banana ' という言葉があります。意味は説明の必要はありませんね。これを英語ネイティブに言われてもたいていの方は了解できると思います。でもよく聞いてみると、日本語の「バナナ」とはかなり違って響きます。そして多分英語ネイティブの子供(異なるアクセントや外国人の英語に慣れていない)などにとっては日本語の「バナナ」は、言われてそれ程たやすくわかる言葉ではないでしょう。

 その第一の理由は「ストレスの違い」です。ストレスは発音の中で大きな位置を占めている要素です。これを間違えると、個々の音はそれほど違っていなくても、全くわかってもらえないことが少なくありません。

banana /bəˈnɑːnə/

 上の発音記号からわかるように、この言葉のストレスは第二音節の/nɑː/ にあります。その直前の /ˈ/ は次がストレス音節であるという印です。ストレスが来た音節は強くはっきりと発音されます。

 そしてこれが大切なことですが、「ストレスの来ない音節は弱く、短く(速く次の音に移る)発音される」のです。これが実は難しい。というのは、子音はもともと「弱く短い」性質があるのでこれらはともかくとして、母音をそのまま言ったのではとても言いにくいということが起こってきます。そのまま速く言おうにも舌がもつれるか舌を噛みそうになるかもしれません。

 そこで起こってくることが、ストレスの来ない音節の母音の /ə/ 化です。' banana ' でもそうですね。 /ə/ という音は発音の努力が最低で済む音です。つまり、舌、唇、喉、口などの発声器官のどこにも負担をかけない省エネ音なのです。だから次のどの音にでもサっと移れます。「弱い、ことによると子音だけに聞こえてしまう程短い、あるかなきかの」母音の完成です。

 「バ.ナ.ナ」ではなく、「ナー」とも聞こえそうな banana です。 
by michikosimon | 2008-05-13 23:36 | イギリスにて | Comments(0)
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