irony と皮肉はイコールではない

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d0086231_14342789.jpg 先週の英文添削で原文に ' an irony of fate ' という言葉がありました。「運命の皮肉を感じている」を日本語の字義通りに訳そうとしてうまくいかなかった例でした。

 「抽象的な言葉を避けて、具体的に言った方がわかりやすい」と私は言いましたが、それは ' irony ' とか ' fate ' という言葉を理解しなくてもよいという意味ではありません。英語のそういう抽象後を理解して初めて見えて来る「日常会話的世界」もあるのです。

irony;
1, the use of words that are the opposite of what you really mean, in order to be amusing or to show that you are annoyed
2, a situation that seems strange and unexpected or amusing, or the reason is like this

 一番多く使用される意味は 1の「言葉の使い方の1種で、実際に言おうとしていることの逆を言うこと、理由は面白がったり、気分を害しているということを示すため」とあります。日本でもそうすることがあります。遅刻した人に「お早いお着きで」と言うとか。

As the rain lashed down, my mother's one ironic comment was: ' An ideal day for a wedding.'

 「どしゃぶりの雨の日に『結婚式には理想的な日ね』と言う」(日本にも「雨ふって地固まるの良いお日和」などという負け惜しみのような言い回しがあります)。同様な言葉の使い方は、思い出してみるとよくあります。' irony ' という言葉は使わなくても ironic な言い方は日常会話の中にあふれているのです。

 ただ ' sarcasm ' という似た意味の言葉があるので注意が肝要です。

sarcasm;
a way of speaking or writing that involves saying the opposite of what you really mean in order to make an unkind joke or to show that you are annoyed

 不愉快さを笑い飛ばそうとしているだけなのか、それ以上のものなのか、irony も sarcasm もそれが人に(あなたに)向けられた時は判断が難しいですね。まあ遅刻したのなら unkind jokes も仕方がないのですが。

 さて多分 ' irony = 皮肉 ' と思っている方は 2 の意味をとっていると思われます。

The tragic irony is that the drug was supposed to save lives.
麻薬が命を救うものとされていたというのは悲しむべき irony である。

 ただどうでしょうか、1の意味も2の意味も「何かそうあるべきこと、ものがそれとは正反対であったり、正反対に使われていたりする」というエッセンスを持っていると思います。右上の写真も「 fitness という言葉、又はそのビルの目的とエスカレーターという相容れないものとの組み合わせが ironic である」というおかしみがあります 
by michikosimon | 2009-01-13 15:44 | イギリスにて | Comments(0)
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