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gerrymandering

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 昨日の言を撤回してもう1度だけ England-Ireland の関わりについてお話しします。今日のキーワードは ' gerrymandering /'dʒerimændərIŋ/ (ジェリマンダリング) ' です。変な言葉ですが、これは Gerry 某という人名と ' salamander ' という生き物との合成語で、右の図のように選挙区域分けを細工して自分の党派に有利なようにするという意味の政治用語です。Gerry 某がこれをし、選挙区域図が ' salamander ' のように奇怪な形になった、というのがこの語の由来です。

 Sinn Fein や IRA という組織(これも暫定派とか真の IRA とかあってわかりにくいのですが)の活動にもかかわらず、Northern Ireland が今もイギリスに属することを変えない状況の根の部分にある、Ireland への見えない謀略ともいえるものです。IRA の結成は Ireland が自治領になってからですが、その土壌は清教徒革命以後のクロムウェルのアイルランド侵略、カトリック弾圧などで充分に用意されていたといえるでしょう。

 昨日紹介した映画の ' Ryan's Daughter ' の中の、嵐の海からの武器の引き上げを指揮していたのが、 IRA ではないでしょうか。

 この ' gerrymandering ' という言葉の思い出とは; 実は、10年程前私もサイモンにメッセージを下さった方と同じ質問をしました。その時の彼の説明がこのキーワードによるものでした。Northern Ireland の議会を代表する意見が、人口比に関わりなくイギリス寄りで来たのですね。

 覇権国の多くのやり方が、侵略される国を分断して、支配する側と支配される側に分け、同じ国民同士を戦わせて甘い汁だけ搾り取るというものです。南アメリカもそうでした(これについては100頁位の、中級英語程度の方にも読める informative な本があります)。中東もそうですし、Ireland も同じです。

 そこの住民にとってはこんな迷惑なことはないので、ともすると元凶のイギリスよりもイギリス側についているようにみえる自国の人のほうを憎むということが起こります。Angela's Ashes の作者の父親は、北部アイルランドなまりが災いして、住んでいるアイルランド共和国内で仕事が得られませんでした。

 ' Ryan's Daughter ' では、武器の引き上げを指揮していた IRA を密告した疑いで主人公が村人のリンチを受けます。同様に、ある有名な写真家の写真の1枚に、戦争直後のフランスのある村の写真があります。村中の人が見ている中、頭をトラ狩りにされた若い女の人が、村を出て行く、後からはその父親らしいやせた男の人がちっぽけな包みを持って続く、というものです。明らかにもとドイツ兵の girlfriend だった彼女が戦後すぐ、ひどいリンチをされて村を追い出されていくところです。村の女達の口元の残忍な笑いがはっきりと見えます。

 悲しいですね。 
by MichikoSimon | 2006-11-30 15:41 | 英語 | Comments(0)

emigrate/immigrate

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 ' the relationship between England and Ireland ' についての話もこれで3回目になります。メッセージをいただいた方がこれを知りたくなったきっかけの1つが、映画の ' Angela's Ashes ' だそうです。 「悲惨でした ...。」と書いてありましたが、確かにそうですね。原作にも、色々幼児期の作者を惨めにしたものを挙げ、 ' Above all -- we were wet. ' と書いてありますが、映画をみるとそれがとてもよく感じられます。全編雨という感じでした。

 題名の ' ashes ' というのは(ash の複数形です)火葬後の「遺灰」を意味します。小説 Angela's Ashes では作者の母 Angela はまだ死なず、次作の ' T'is ' の最後で亡くなりますが、映画ではどうだったでしょうか。

 私がこの映画の中で忘れがたい場面は、Angela に原作にないセリフを言わせている所です。Angela はもう子供は欲しくないので夫の要求する妻の義務を拒否します。極貧の子沢山の生活、プライドばかり高くて生活能力はない夫、そして避妊など許されぬ Catholic の信仰、現代の日本人にはもっともな理由です。夫はそれは「妻の義務」なのだから、拒否したりすると「地獄」に落ちるぞ、と脅します。これは現代の日本人には笑ってしまうしかない戯言ですが、多分作者の育った環境ではある程度のインパクトのあるおどしなのでしょう。Angela は答えて曰く、' Perhaps we're already ...... ' 。つまり、「もしかしたら私たちのいるここがもう地獄なのかも .....」。これはうまいセリフです。原作にある様々な悲惨な生活の場面をすべてひっくるめて暗示しています。原作では「もう1人こどもが増えないのなら、永遠に呪われようともそちらの方が魅力的だ」と言っています。こちらの方が力強い感じです。

d0086231_2137136.jpg England-Ireland という主題で書いていると、何となくこの方面に敏感になっていたのか、いろいろなアイデアが次々湧いて来たり記憶がとつぜん蘇ったりといったことがあり、大変助けになりました。昨日も偶然見た古い映画が、 Ireland が舞台の England の占領下の出来事についてのものでした。うれしい暗合です。

 その映画は ' Ryan's Daughter ' です。

 1970年製作の古いものですが、ぜひぜひ見ていただきたい素晴らしい作品です。その自然描写の美しいこと。海、浜辺、林の中、タンポポの綿毛、馬のたてがみ、とくに嵐の夜村中で、難破した船から流れて来たのでしょうか、武器を海辺に引き上げるところ、等々、きらめく光に満ちた Ireland 。そして、そのなかに繰り広げられる悲しく重い人間模様。

 1988年に行った Ireland の Limerick という町(市かもしれません)でのことを思い出します。 Limerick も町の中心部で川が交差するそれはそれは美しい所で、公園で会った若い女の子達とおしゃべりをしました。私が Limerick の美しさを述べそんな所に住む彼女達の幸運のことを言うと、彼女達は「そんなことは全くない。私たちはどこか別の所に行きたい。」と言っていました。それは勿論予想された答えではありました。 Ryan's Daughter の Catholic の古い土地での「存在のおさまりの悪さ」が重なって聞こえます。

 さて、今日の主題に入ります。England-Ireland の歴史ですが、1921年に Ireland は England の自治領になり、1949年に Northern Ireland を残して南部は独立します。英国の正式な名称は ' The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland ' といいます。しかし、Northern Ireland では未だに独立を目指す Nationalists たちもいて、England 側の Unionists との間の一触即発の事態も絶えたわけではありません。

 Angela's Ashes の書き出しは、' My father and mother should have stayed in New York ..... ' とあります。「私の両親はニューヨークに留まっているべきであった。」というのです。そうしないで Ireland に帰って来てしまったのです。彼らは emigrants でした。

 外国旅行をすると空港などで immigration ( immigrate /'ImIɡreIt/ 「ミグレイト」の名詞形)という語を見ることがあると思います。Heathrow Airport ではよく長い行列( queue )ができる所です。英語で入国目的、期間などを訊かれます。

 emigration ( emigrate /'emIɡreIt/ 「ミグレイト」の名詞形)は逆に自分の国を出てどこか別の国に移住することです。Angela's Ashes の作者の Krank McCourt の両親がそうでした。Riverdance でも emigration の結果 Irish dance とアメリカのストリートダンスとの交流が演じられるなど、貧しく閉鎖的な社会でもある Ireland の悲しいキーワードになっていると思います。

d0086231_118517.jpgd0086231_1184041.jpg アメリカで成功した emigrant も沢山いて、Kennedy 一家など、悲劇に見舞われましたが、その代表でしょう。 Gone With The Wind の主人公 Scarlett O'Hara も父親が Irish だという想定だったと記憶しています。

 England と Ireland との関係はこれで終了します。ありがとうございました。
by MichikoSimon | 2006-11-30 00:39 | 英語 | Comments(2)

the Church of England

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 昨日 Stonehenge についての記事にもう1つのイギリス旅行のアトラクションを付け加えます。Glastonbury Tor です(写真)。実際に druid が来たとか来なかったとかの事実を超えて、これらの地は今もある人々の間ではスピリチュアルな聖地とされています。夏至だか冬至だかに何かの行事があるとか、King Arthur の Holy Glail が埋まっているとか、色々な伝説伝承を持っています。ひと時はヒッピーの聖地(?)として marijuana /ˌmærIˈwɑːnə/ (マリファナ)など現代の potions ( drugs )が嗜なまれていたとか、なんとなく今のプロテスタント系の英国国教会の国の雰囲気とは異質なものを感じさせます。現代の物質主義に反する精神が古代の伝説と風習にからまったのでしょうか。

d0086231_1028636.gif ブリテン島とアイルランド島とヨーロっッパとの地理的関係は左の図のようにあまり離れていません。私たちも7、8年前に Newcastle から Norway の Bergen へ船で行ったことがあります。夜出発で次の午前中にはもうノルウェーでした。Ireland は度々異民族の襲撃を受けました。古くはバイキング、ゲール人、後にはアングロ、ノーマン人など、みな海を超えて来たのでしょうが、地図を見るとそれも可能だと思わせます。さて、その後に来たのが England でした。この国は Ireland にとって最も手強い国となりました。いろいろな問題が今もまだ燻っています。

 今の英国ーアイルランド問題には Catholic と Protestant との宗教的な紛争という非常に解決の難しい問題がからんでいますが、これは England 王が Ireland 王をも兼ねた、つまり属国になった最初の頃には存在しませんでした。両国とも Catholic の影響が強かったので。

d0086231_10294121.gif ところが Henry VIII ( Henry the 8th, ヘンリー八世 )の時代になった1536年、彼はローマと縁を切り、the Church of England (英国国教会)を創立し、自身その長となりました。これは現在でもそうで、国王である Elizabeth II が the Church of England の首長です。

 彼がそうした理由は、よく知られているように、彼が離婚できるようにするためと言われています。先日 ' Anne of the Thousand Days ' (1000日のアン)という映画を見ました。この映画にはそこのところの事情が描かれています。Henry VIII は当時の妻 Catherine of Aragon と別れて Anne Boleyn と再婚するためにカトリックを捨てたのです。興味のある方、どうぞ映画をご覧下さい。

d0086231_10304319.gifd0086231_10305646.jpg 左右の写真が Henry VIII (これは右上の Elizabeth II のシルエットからもわかるように切手です)と Anne Boleyn です。2人はめでたく結婚するのですが、2人の間に将来 England の最盛期を築く事になる女の子( Elizabeth I エリザベス一世)を残して、Anne は(おそらくでっちあげられた)姦通のとがを受け処刑されます。その後 Henry Ⅷ は新たに得た特権を活用して男の子欲しさに何回も結婚を繰り返すことになります。

 Henry Ⅷ の後、Elizabeth I 、James I と England は Ireland の制圧を進めて行きました。後 England 内部でも Catholic 問題でゴタゴタがあり、清教徒革命(余談になりますが、2度の火災の後 the Globe Theatre は社会の気風の変化ー清教徒たちは芝居小屋のようなものをよしとしなかったーから1999年まで再建されることはなかったのです)、共和制、王政復古を経て、名誉革命、そして William of Orange (オレンジ公 William)が来ます。この間 England の Ireland の制圧は更に厳しくなり、 Protestant の要素が多分に混ざった the Church of England 側の Catholic Ireland に対する迫害が続き、 Ulster 地方を中心とする土地への Protestant の移住が広がっていきました。次第に産業の要を握る 豊かなProtestant England と貧しい Catholic Ireland という図式が出来上がっていき、 Ireland は England に完全に合併されました。

 William of Orange の名は今も the Orange Order という反カトリックの結社の名にのこっており、この the Orange Order の人たちはその記念日( Catholic のアイルランド人に取っては勿論屈辱の日)に行進をします。ある年、(いつかは忘れましたが、私がイギリスにいた時でした)にはそれまでは迂回していた Catholic の地区でも練り歩いたため、市街戦ともいえる状況を引き起こしました。それ以来そのニュースをのがさずに見るようになりました、どうしてそんな行進をしなければならないのか?といぶかりながら。

 その後1921年に英愛条約によって全 Ireland が英国の自治領(カナダ、オーストラリアのように)になるまで、いろいろなことがありました。アメリカ独立やフランス革命は、1つは海外移住を盛んにし、もう1つは England への抵抗運動を動機付けたのかもしれません。Sinn Fein という、暴力によらずして独立を目指す党は1900年頃結成されました。

 明日はこの続きのお話しをします。

d0086231_10322662.jpg ここでもう1つ余談をします。写真は Hever Castleヒーヴァーカースル)で、Anne Boleyn が子供時代を過ごした所です。美しい庭園でも知られ、 ' Anne of the Thousand Days ' (1000日のアン)という映画にも出てきます。ここはサイモンの父親と一緒に訪れた、私たちにとってとても思い出深いところです。
by MichikoSimon | 2006-11-28 18:43 | 英語 | Comments(1)

druid

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 今日から3回か4回くらいにわたって ' the relationship between England and Ireland ' (発音は /'aIələnd/ アイアランド)についてのお話をしようと思っています。といっても両者とも長い歴史をもった国ですし、その関係も長期にわたっています。ここではそれを何回かに分けて、英語の言葉に関連付けてお話しします。

 また、このブログはすべて、資料をただ引き写しただけの空疎な言葉を語らないように、私たちの体験に根をもつ「生命をもった言葉」をお伝えしたいと努力しております。勿論資料は調べますし、正確を期しますが、これは学術論文ではありませんので、何か間違いがあるかもしれません。その時はどうぞお知らせください。

 さて、今日の言葉は ' druid /'druːId/ ' (「ドゥルーイド」)です。これは ' survival English ' には全く必要ないものですが、イギリスを旅行するだけでも多分よく聞く言葉ではないかと思います。これは昔々紀元前の Celtic (ケルト)の社会の priest (宗教者)の集団というか階級に属する人のことです(写真)。

d0086231_10113843.jpg Celtic (ケルト)の社会の構成員である Celts (ケルト人)とは古代ヨーロッパ人の1部で、Ireland の島はこの Celts の領域でした。Riverdance をご覧になったことはありますか?このダンスでは、ケルトの神話や歴史などが主題になっています。

 druid に話を戻します。Celts (ケルト人)が地理的にどこまで広がっていたのかはっきりわかりません。現在のイギリスに来たことは確かなようです。ただ、イギリスにある古代石群(一番有名なのがイギリス南西部にある Stonehenge 「ストーンヘンジ」)が、d0086231_10263544.jpg学者たちは関連はないと言っているにもかかわらず( druid がイギリスに来る以前の建造物であるという理由から)、何故か ' druid ' の聖地とされています。 これがイギリス旅行で druid という言葉をよく聞く理由です。この druid の文化的(だけだったのか?)支配の痕跡のケルト文化は北部ヨーロッパに広く見られます。イギリスに限ってみても Easter, Halloween など彼らのカレンダーの名残、mistletoe など植物に関する風習の残滓などがあります。私がクリスマスの mistletoe /ˈmIsəltəʊ/ (「スルトウ」)の風習をはじめて聞いたのはスコットランドにいた時でした。このスコットランド出身の James Fraser が書いた、' The Golden Bough '、日本語で「金枝篇」にはこういった文化習俗について詳しく書かれていますので興味と意欲のある方はどうぞ。長い長い本です。
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d0086231_1654493.jpg 今 ' Tristan and Isolde ' (「トリスタンとイゾルデ」)という映画が掛かっていますが、これもアイルランドとイギリスの関係が織りなす伝説のお話を基にしています。ただこのストーリーは伝説にありがちな色々なバージョンがあります。映画は見ていませんが、見た人の話では、ワーグナーのオペラやその他のいくつかのバージョンにでてきたサイドストーリーや細部がカットされたりしていたそうです。

 私がこの伝説で注目した点は、第一に、媚薬( ' love potion ', Harry Potter series で Professor Snape が ' potions ' を教えていましたよね)が重要な役割を持っている事です。 druid の伝統が思い起こされます。もう1点は、Tristan が King Arthur の円卓の騎士の1人だとされているということです。King Arthur というのは、乱暴な比較をするなら、日本の倭武尊(ヤマトタケルノミコト)のような伝説上の人物で、「剣」が重要な小道具として登場したり、「王」になったとかなれなかったとか多少悲劇性も含んでいる(似ていますね)、こちらはイギリス側の要素です。
by MichikoSimon | 2006-11-27 17:02 | 英語 | Comments(0)

relations/relationship

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 先週は大変うれしいことがありました。10月26日の記事の中で;

 「違いを意識して欲しいのはむしろ

 Could you .........,please ?  ( requests  してくださいませんか?)
 Could I ...............,please ? (asking for permission  してもよろしいですか?)

 の方です。このペアは私が海外留学や海外での仕事の前の特別レッスンの時には必ず教えるものです。きわめて実用的な面で役立つと思います。

 下にいくつか語句があります。それらを上の2つの表現にあてはめてみてください。Could you , Could I のどちらにも OK な語句もあれば、どちらか1方にしかあてはまらないものもあります。次々に文を作ってどんな場面で使えるかいろいろ試してみてください。 .... のところは自分で自由に作って下さい。ここにない表現も考えてみてください。

have a room /have a ticket /have a look at it / see a doctor
show your ticket / show it to me
tell me where / what ... / when .... / what time .... / why .... / how to get to platform 2
have it back
check in / check out / book a table for 3 people


 と、宿題ともとれる書き方をしたものに対して「やってみました」というメッセージをいただきました。感謝感激です。今日から何回かに渡って、この方の「宿題ペーパー」の添削、説明、御質問への答えを記します。こちらの手には少々余るものもあるのですが、今できる限りのお答えをするよう努めます。

 なお、今日はこのブログが始まってちょうど90回目にあたります。ご支援ありがとうございました。こんどは倍の6ヶ月、180回をめざしますので、コメント、メッセージなど以前にも増してよろしくお願い申し上げます。

 まず、英文添削をします。「宿題ペーパー」の最後にあった英文の「お願い」

 Could you teach me about relation between England and Ireland, please?
 ↓
 Could you tell me about the relationship between England and Ireland, please?

 ' could you/could I ' の使い方マスターしたようですね。Good!

 ' relation ' で「国や会社同士の公的つながり」や「人々やいくつかのグループがお互いどのように振る舞うかという仕方」を表す時には複数にして ' relations ' と言います。たとえば ' America and Iran have hardly any (almost no) diplomatic relations now. ' のように使います。
 
 ' relationship ' という言葉の1番頻度の多く使われる意味は『「人」の人や、「つの」グループがお互いに対しどのように振る舞うかという仕方』を意味する言葉です。そのため between がよく一緒に用いられます。

 この英文の場合私は ' relationship ' を選びます。多分この方の聞きたいのは両国の公的な外交関係についてではないだろうと思いますので。
by MichikoSimon | 2006-11-26 22:41 | イギリスにて | Comments(0)

stage/ performance

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 日曜日の ' Turandot ' の公演で、もう1つサイモンが言っていた英語と日本語の劇場用語の違いを紹介します。

 ' stage ' は英語では ' the raised floor in a theatre on which plays are performed ' (劇場にある、床が高く作られている部分、そこで芝居などが演じられる)という意味で、あくまでも「ハードウェア」です。

 ところが、日本の劇場関係者はこの ' stage ' (ステージ)を「ソフトウェア」の意味で、つまり「そこで演じられる演劇など」のこととして使っているそうです。この「ソフトウェア」の方は英語では ' performance ' と言います。

 これが話をわからなくしてサイモンの目を白黒させたことが実際あったそうです。例えば;

 ' We've got 4 stages. '
 ' ( Wow, their theatre' s really big.) '

 意味がおわかりになりますか? ' We've got 4 stages. ' は英語では「ハードウェア」の「台」のステージが4つある、つまりこれを言った人の属している劇場は非常に大きいということになります。この人が言ったのはそうではなくて「ソフトウェア」の ' performance ' のことだったそうです。劇場に関係のない私などでも、俳優の誰それはワンステージいくらだとか、聞きますよね。これも和製英語ですか。

 写真は左のが「ハードウェア」の ' stage '、右のが「ソフトウェア」の ' performance ' です。写真の ' performance ' は Birgit Nilsson の Turandot で、私たちは皆公演の前の予習として彼女出演の CD を聴きました。惜しい事に昨年亡くなりましたが、素晴らしいドラマティック ソプラノです。 
by MichikoSimon | 2006-11-25 12:09 | イギリスにて | Comments(0)

pit in the Globe Theatre

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 昨日の pit の補足をします。劇場には orchestra pit の他にも pit と呼ばれる場所があります。現代にはないものと思っていましたが、サイモンによると the Globe Theatre にはあるということです。

 ロンドンに行く方の中には劇場でミュージカルを見るとか、Shakespeare の建てた the Globe Theatre を見に行く方も多いと思います。東京にもグローブ座というのがありますね。

 ただロンドンに現存のそれは the New Globe Theatre とも呼ばれ、元のもの( the Old Globe Theatre )のレプリカです。the Old Globe Theatre はエリザベス朝の1599年に建てられ、2度の焼失の後、清教徒革命の影響などで400年後の1999年まで再建されませんでした(再建計画は100年程あったのですが)。the New Globe Theatre は the Old Globe Theatre とほとんど同じ場所にほとんどオリジナルに忠実に建てられました。世界で最も有名な劇場の1つです。

d0086231_23454830.jpgd0086231_23451718.jpg さて、私たちは残念ながらこの劇場に実際に行った事はないので、うまく説明できるか自信はないのですが、写真を3枚紹介します。

 下の2枚が、 the New Globe Theatre の外観と上から見たものです。 真ん中が open-air の(屋根のない)劇場です。上の写真に pit が一部写っています。これは Lords Room という上等な席から「舞台、ギャラリー、pit 」を見た所だそうです。ちょっとわかりにくいです。pit は1番安く芝居が見られる所で、屋根も席もないただの土間のような所です。確かに穴のように見えます。
 
 この劇場に関するサイトを3つ紹介しておきます。興味のある方はどうぞ。

 the Old Globe Theatre の歴史
 the Old Globe Theatre の Lords Rooms について
 the New Globe Theatre
by MichikoSimon | 2006-11-24 23:59 | 英語 | Comments(0)

orchestra pit

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 We went to the theatre in Ohmiya on Sunday. We met a student of ours there and together we watched Turandot. The orchestra pit was quite big and we learned that it was called ' an orchestra box ' in Japanese.

 皆さんすべてがこういうことに興味があるとは限りませんが、サイモンの以前の仕事が theatre 関係なので、時々劇場系の話題もでることと思います。

 先週の日曜日のことでしたが、前々から見たいと思っていた「ツゥーランドット」に行ってきました。 Puccini の最後のオペラで、非常に entertaining な見応えのあるものでした。興味のある方は英文中の ' Turandot ' をクリックしてみてください。

 そこで色々オペラや劇場に関する話が出て、私たちはいくつかの英語と違う劇場言葉を確認しました。今日はその1つです。

 上の写真にあるように、舞台に沿って下方にオーケストラが入って演奏する場所があります。この場所のことを英語では ' orchestra pit ' といいますが、日本では「オーケストラ ボックス」と言うそうです。サイモンはこれを聞いて、「日本ではオーケストラも随分優遇されているように聞こえるなあ」と言っていました。

d0086231_17415056.jpgd0086231_17454713.jpg 「オーケストラが入って演奏する場所」は普通舞台を遮らず、観客から見えないように少し低くなっています。 ' pit ' というのは ' hole ' (穴)のことです。右の写真は考古学研究の現場の穴です。その他鉱山の掘削現場とかにも使われます。

 これに対する ' box ' の響きはずっと「高級」で、上の写真の舞台向かって左手上方に見えるのが ' some boxes ' です。多分どこの劇場でも最も高価な席です。オーケストラはもとより主役級の出演者にいたるまで劇場から支払いを受ける側のための場所ではありません。
 
by MichikoSimon | 2006-11-23 20:43 | イギリスにて | Comments(1)

volunteer / 奉仕

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 volunteer というのは ' a person ' (人)のことです。ですから「奉仕」という「事」と同じにすると;

 voluntary work /ˈvɒləntəri ˌwɜːk/ (発音にも気を付けて下さい。「ヴォラントリ ワーク」 /ɒ/ は日本語の「お」よりも更にのどの奥から出す非常にイギリス的な「オ」、/ləntə/ の2つの /ə/ はストレスから外れたために弱音化した母音です。/ɜː/ にも気を付けて下さい。 ' or ' というつづりにつられないように。)

 になります。ではこの2つについて考えてみましょう。

 2枚の写真を見て下さい。左は ' volunteer ' をキーワードに、右は「奉仕」をキーワードにして探した物です。同じコンセプトのように見えます。右はどこかの神社の周りの清掃奉仕、左は ' trailwork ' と題されています。 ' trail ' というのは登山道や原野を横切る小道のことで、写真は national park 内のそうした道の整備をする volunteers です。この種の voluntary work はイギリスでも盛んで、私達のHPにもインフォメーションがあります。1つは  National Trust が主催しているもの、2つ目は BTCV というこれも全国団体が主催する conservation holiday です。私達の元生徒の1人がどちらかを体験しました。沢山のイギリス人が、without expecting payment どころか粗末な宿舎と食事代を払ってまで、参加しているのに驚いたそうです。そのような体験から得られるものが大きいのでしょう。そうしたちょっと違った休暇に興味のある方はどうぞ。

 多分 voluntary work と奉仕との違いは、その起源にあるのだろうと思います。生徒の1人が「教師が授業の時、誰かを指名しないで、' Any volunteers? ' (誰かこの問題やりたい人?」というふうに言うのを聞くと、この volunteer は「奉仕」の volunteer とは違うような気がする。」と言っていました。

 実は日本人にとっては、この使い方の方が volunteer の本質を示しているのかもしれません。voluntary という言葉の意味には ' willingness (進んで何かをしたいという意向)' や ' wanting to do something(何かをするのを欲する事)' が根源的に含まれています。' without expecting any money for the work (報酬なし) ' というのは willingness の帰結にすぎないかもしれません(やりたいからやるので、お金が欲しくてその手段としてやるのではない)。

 使用頻度は高くないのですが、voluntary movement という voluntary の使い方があります。これは脚気の診断などに使われるヒザの反射のような involuntary movement (自分の意思で動かすのではない動き)の反対語で( in は反対の接頭辞)、自分で動かそうとして動かせる手足の動きのようなもののことです。

 また、She left the company voluntarily. と副詞で使って、「彼女は自分の意思で会社をやめたので、クビになったわけではない」を意味します。

 日本語の「奉仕」は辞書に「上の人に謹んでつかえること」、「公の事に力を尽くす事」、「報酬を得ないで力を尽くすこと」、とあるように「好きでする」という要素が「定義の中にぬきがたく内包されている」ということがありません。少し前に学校教育にボランティア活動を取り入れるべきだとか、いやそれはボランティア活動の本質を理解していない、とか言う議論がありました。それはこういう事情によるものです。

 とにかく、2枚の写真にあるように、現れとしての voluntary work と奉仕活動は同じように見えますが、 voluntary work を義務とすることは;

 wrong by definition
(矛盾している)ですよね。
by MichikoSimon | 2006-11-22 21:42 | イギリスにて | Comments(0)

licence/qualification/certificate

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 この3つの言葉は日本語の「資格」に関係していますが、それぞれかなり違っています。今日はそれをはっきりさせましょう。

 1、licence /ˈlaIsəns/ (アメリカでは license と書くのかもしれません)

 意味は1つではありませんが、1番よく使われるのは driving licence, firearms licence (銃の所持許可証)のようなものです。意味は;

 an official document giving you permission to own or do something for a period of time

 とあります。つまりこれは、公式に発行された文書であり、一定の期間内の、ある物を所持したり、あることをする許可を与えるものです。

d0086231_22562870.jpg 2、 qualification /ˌkwɒlIfIˈkeIʃən/

 最も多く使われる意味は「学歴」に関係していて、この場合普通は複数形が用いられます。

 examinations that you have passed, especially at school or university

 とあります。つまり、学校(大学以下の)や大学で合格した試験のことです。試験といっても中間テスト、期末テストの類ではなく、学校の修了や大学卒業を賭けた試験です。イギリスの学校制度についてはまた別の機会にお話しすることもあるかとおもいますので、ここには記しませんが、日本とは大分違っています。

 qualification には別の意味もあって、これは学業よりも広い意味での何かをするのに必要な能力一般を意味します。

 1との違いは、qualification は「目に見えないもの」です。文書のように差し出せません。

d0086231_21542346.jpg 3、certificate /səˈtIfIkət/

 2の写真を見て下さい。巻いた卒業証書のようなものがあります。ある学部学科の qualifacations や completion (試験に受かって無事修了)を証する certificate でしょう。これなら qualification が「目に見えるもの」になり、差し出して、「ほらこういうのを持っていますよ」と言えるものになりますね。

 certificate というのは、licence と同じく ' an official document ' つまり「公式文書」です。ただこの文書に述べられるのは、なんでもよい「事実」です。そしてその事実は「真正」であると証するのが certificate です。

 ですから日本の卒業証書にあたるものも certificate です。大学や学校の課程を無事試験に合格して修了できたことの証書です。

 3者の違い、おわかりになりましたか?
 
 licence と certificate が文書であり、qualification は能力やその現れである。
 licence は非常に限られたことについての許可証である。
 これに対して certificate はほとんどどんなことに関しても用いられ得る。許可証ではない。

 licence は「法律でそれを持たずにするのが禁じられていること」について言いますね。certificate はよく、イギリスなどでも語学学校の課程を修了した時とか、 tourism では例えば「羽黒山神社への2400段あまりの石段を登った」というようなことを証明するとか、かなり自由につかわれています。 
by MichikoSimon | 2006-11-21 23:30 | イギリスにて | Comments(0)