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pointing and grouting

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d0086231_19494919.jpg本題に入る前に前回書いた「pointing という言葉を学んでいったプロセス」ということについて補足しておきたいと思います。日本人でこういう風に考える方がいるのかどうかわかりませんが、サイモンや義弟夫妻のような英国人にはこれが1種の joke としてとられたので「あれれ」と思ったからです。

' pointing ' という言葉ですが、最も普通よく使われる意味は、よく日本で「〜家」などとある告別式案内のはり札のように「人差し指で方向を指し示すこと、もの」です。だから、彼らが考えた私のこの言葉との最初の encounter は、落語にあるように、「あちらだ」と言われてあちらではなく指し示している指先を見る如くおかしなものであったに違いない、つまり、

Simon said ' look at the pointing. ' holding his forefinger pointing at something.

と考えられた、ということです。ちょっとこみいった書き方になってしまって、わかりにくかったらごめんなさい。私はこういう mistakes とか「なにかができない」ということがなぜそうなのか、ということに興味があるので、くどいと思われたらとばしてください。

まあ確かにおかしいことはおかしいので、一緒に笑うだけでもよかったのですが、事実はそうではなかったので、ともかくも彼らには説明しました。「私はそれ程英語初心者ではない。pointing が何を意味するかはコンテクストからわかっていた。ただ「 pointing という言葉」が 「pointing という物、建物の石壁の石のまわりの線状のもの」としっかりと結びつくまでに時間がかかったということである。その間「 pointing という言葉」は、はっきりしたコンテクスト内で使われればわかる passive な言葉から段々、パブロフの犬のように、そのコンテクストの内に入れば、言われなくてもなんとなくそれを期待できる半 passive な言葉となり、おそるおそる自分で使ってみ出し、ついに意味もはっきり固まり自信を持って使える active な言葉となった。」と。

d0086231_19512038.jpg多分皆さんが何かを言いたくて「ええー」、「ええー」となかなか言葉が出てこない時など、こういう passive, half-passive な言葉が頭の中でせめぎあって出口を求めているという状態なのかもしれませんよ。

さて joke になりそこねた learning process の話はこれくらいにして、本題に入りましょう。

前回の ' pointing ' とよく似た意味の言葉があります。' grouting ' です。

grout/graʊt/
noun として
a thin, coarse mortar poured into various narrow cavities, as masonry joints or rock fissures, to fill them and consolidate the adjoining objects into a solid mass.

verb (used with object) として
to fill or consolidate with grout.

一般的には、pointing は屋外の石やレンガに、grouting は屋内のタイルに、というふうに言われます。意味は双方とも同じようで、pointing は石やレンガ、grouting はタイルなどを積んだり敷き詰めたりしたうえで、個々の石やタイルの表に出た面のつなぎ目にコンクリートやモルタルやグラウトを注ぎこむというか、詰めこむというかすること、とあります。

屋内外の区別はしかし、差異をはっきりさせるたよりにはあまりなりません。石やレンガが屋内に使われることはよくあるし、その場合は職人さんが pointing と言っているのを聞きました。またネットで見ると、屋外のタイルの舗装の工法の説明に grouting のほうが使われていました。

d0086231_531855.gifpointing は別として grout は専門的にいうと、material としても扱われ、左図(これは slump test というものだそうで、12インチ高のコーン型にして放っておくと形が崩れてきます、柔らかいほど高さが低くなる)のように、セメント、水、砂の配合比や堅さ加減によってコンクリートと呼ばれたり、モルタル、グラウトとなったりする、ということがあるそうです。狭い意味での名詞の grout です。

まあここは普通一般の日常的な使い方がいちばん良いと思います。pointing は石やレンガ造りのビルに、grouting は bathroom や台所のタイルに使われる、と覚えておけばたいていの場面はこなせるでしょう。grout は防水性のあるものであることが多いです。そうそう、日本語にタイルの「目地(めじ)」という言葉がありますよね。pointing も grouting も石壁やタイルのこの「目地」にあたるものです。(専門的に言えば「目地」はタイルにかぎらず、組積造における石積みや煉瓦積みの部材の接合部を意味する、そうです)

すこし連想が飛びますが、芝の「目土(めつち)」といって、芝生に時々土を足してやりますよね。この「目」も多分芝草がレンガやタイルと同じように考えられての言葉でしょうね。
by michikosimon | 2010-10-20 19:09 | 英語

to point

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It's taken me some time to learn the word.

この言葉は会得するのに思いのほか時間がかかった言葉です。一度聞いただけですぐ passive どころか active な vocabulary になってしまう言葉もあります。この場合は違いました。多分あまりにも当たり前の言葉があまり当たり前でないある特殊な分野で使われているからでしょう。生活の中で言葉をひとつひとつ学んで行くプロセスがはっきりとたどれるようにゆっくりとわかっていった言葉でした。

最初にこの言葉を聞いた時、それが a point とか to point out とかの point であることはわかりました。Bath stone 造りの建物の外壁の石が窓枠のあたりでゆるんでいたりするのをサイモンが見付けて ' Look at the pointing ! ' などと言うのを聞き、「危ないわねえ」、「でも地震はないはずだから」とか言っていました。後で知ったことですが surveyor によると、地震はなくとも大地はつねに動いており、その上の建物もその動きにつれて微妙にバランスをとりながら固まって行くのだそうです。

このようにサイモンから何度も何度も石と石との間が広がった徴としての pointing を示され、その後建築業者との話や説明、Bath Building Museum などでの展示や説明からこの言葉の存在と意味がだんだんはっきりとしていきました。はっきりしているのに超したことはもちろんないのですが、そうでなくてもそれまでサイモンや他の人が言ったことなどを理解するのに何の問題もなかったのです。こういうことはよくあります。日本語でもそうですよね。

さて、この特殊な場合での ' to point ' という動詞は;

to point
【石工】〈れんが積みなどの〉継ぎ目にしっくい[セメント]を塗る.

を意味します。写真でわかるように、mortar を塗ってレンガを積んでいくということではなく、積んでしまったレンガの表に出る面の mortar の上に更にしっくい[セメント]を塗る(積む時に使う mortar と同じ物の時もあり、もっと防水性のある物の時もある)ということだそうです。化粧と防水の両方を兼ねているのでしょうか。

以前 Bristol で庭の塀のレンガを積んでいるところを見せてもらったことがあります。家の場合は、間にある程度の空間をおいて2重の壁を造るので、イギリスの家は断熱に優れているのだとも教えてもらいました。そのときは pointing のことは話題に上らなかったのかもしれません。

d0086231_1842854.jpg' to point ' のもうひとつの特殊な意味で、多分上の意味よりもう少しよく知られた意味があります。

to point
〈ダンサーなどが〉〈つま先を〉立てる.

バレエでは英語よりフランス語が使われることが多いので、日本では「ポアント」と言う方が通りがよいでしょう。そのための靴は普通英語で toe shoes といいますね。

ところで、バレエといえば「舞姫テレプシコーラ」が最終回をむかえました。このコミックが朝日新聞の主催する手塚治虫文化賞のマンガ大賞をとった2007年以来愛読していたのですが、ついに終わりました。少し残念です。
by michikosimon | 2010-10-11 02:07 | 英語 | Comments(0)