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question-tags

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 question-tag というものがあります。' It's lovely today, isn't it?' の ' isn't it? ' (助動詞+代名詞+?)がそれにあたります。右の絵の荷札( tag )のように疑問文ではない本体の文の終わりにヒョイと引っ掛けられます。

 ネイティブはこれをかなりの頻度で使いますが、日本人は苦手ですね。いろいろ理由はあると思います。short answer がまだちゃんとできない人はこれもできないでしょう。肯定と否定とを反対にするという以前に、助動詞と代名詞を考えないでパッっと言うのにもある程度訓練を要しますから。

 ところで、今日お話したいのは、 question-tag の作り方やうまく使うコツのような実践的なことではなく(そういうことは参考書などに書いてあるでしょうから)、そもそも「どうしてネイティブは question-tag を使うのか」についてです。

 他の、日本人があまり使わない言い方(例えば there is/are ... など)と同じく、その意味するところはわかるのに、それをどんな状況において使ったらよいか(それを使うことの social な意義)がわからないと、結局使うことができずに終わってしまいます。ここでは『日本語で「何々ですね」とか「何々じゃないですよね」を使うのと同じ状況』といっても何もならないです。日本語の場合と全く同じなのかどうか自信はありませんし、多くの方がこれを全く使おうとせず、他人の使ったものに反応もしないという事実を見てきましたから。
 
 根本的には question-tag は、一方的な話でも対話でも、「それらをより communicative にする」ために使われます。

 question-tag は何かを訊ねています。聞いている相手はそれに反応するように求められています。ただ question-tag の question は普通の答えのわかっていない question とは違って話し手が ' Yes ' か ' No ' のどちらかを予想した問いです。ともかくも question-tag があってその答えがあるという掛け合いが起こります。当然そこで話のスピードは落ち、話し手聞き手双方1息ついてそこまでのことを消化できます。そして先へ進みます。
 
 この過程が抜けると(例えばスピーチをしているところを想像してみてください)、自分の言いたいことを滔々と述べていくだけの1人よがりの話になってしまうおそれがあります。ときどき立ち止まって聴衆が自分の話に付いて来ているかどうか確かめ、そうでないなら何か説明を付け加えたり質問を受けたりして、「対話をしながら話を進めて行く」ほうが結局スピーチが成功する確率が高いと思います。

 対話の時には上のことがより重要になります。「相手」のことを片時も忘れず、時々自分の言うことの反応を確かめながら進める、100%確かでないことを言う時なども確かめながら話すほうがうまくいきます。

 question-tag を使う理由がわかるとそれを使う必要を感じられるようになり、(うまくできないにしろ)使ってみるようになります。使ってみると、話のスピードが人間的になり、相手が付いてこられるようになるのでコミュニケーションの質が向上し、さらに質、量とも充分な交流へと進化してゆくでしょう。

 でも確かに素早く question-tag を作ることは難しいです。question-tag に限らず、何か相手を置いてきぼりにしないような手だてを講じながら対話を進めるよう気をつけましょう。相手の反応に気を配って、スピードを変えたり、質問をしたり受けたり、必要なら話の道筋を変えたりしてみてください。
by MichikoSimon | 2006-11-04 00:10 | イギリスにて
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