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何日か前に「マルタの鷹( The Maltese Falcon )]という映画のことを書きました。 今日はこの falcon という鳥(右の絵の鳥)の発音についてだけお話しします。この言葉は日本の中学や高校の英語にはまず出てこない語だと思いますが、英語圏では子供向けの「お話」や大人向けでも「おとぎ話っぽい本」などによく出てきます。「鷹」は hawk で、falcon とどう違うのか(例えばサイズ)私はよくわかりませんが、 falcon は人間が訓練して狩りなどに使うことができるものです。日本の鷹狩りの鷹はどちらなのでしょうか? この語の特に発音だけをしたいという理由は; 日本人の発音の弱点が凝縮されていると思えるからです。 falcon /'fɔːkən/ 発音記号に弱い方のためにカタカナにすると(正確にはいきませんが、これでもよほどマシにはなります) /フォークン/ となります。くれぐれも青地の /クン/ の母音をはっきり「ウ」と言わないように、できたら「ウ」がでる前に「ン」が出てくるように / kn / という感じで発音するとそれらしく聞こえます。 日本の方は日本語のローマ字読みに縛られている(?)のか、' a ' の字を見ると「ア」と発声したくなるようですね。でもそれでいつもうまくいくとは限りません。この場合は ' a ' より少し視野を拡げて ' al ' に気付いて欲しいのです(音節読みといいましょうか、1つの語を見たらそれを音節ごとに区切って読めればそれに超したことはありません)。 注意点 1、' al ' は /ɔː/ と読まれることがあります。たとえば; all, hall, ball, fall, wall, walk, talk, call, stall, chalk など。これらは皆1音節語です。多音節語の例はなかなか見つからないのですが、/ɔːl/ とかすかに /l/ が入る例はいくつか見つかります。 McDonalds, alternative, always, almost, Maltese /̝mɔːlˈtiːz/ (モールティーズ) McDonalds はストレスの位置が日本語の「マクドナルド」とかなり違うので私たちの苦手な語ですが、 ' nalds ' の音節も /nɔːldz/ となります。ただこの音節はストレスがかかっていないので、/ɔː/ も /ə/ に近くなってなかなか /ɔː/ と認識しにくいのですが。 2、ストレスのかかっていない音節の母音はすべて /ə/ になる傾向がある。 falcon の con の部分です。/kən/ と一応母音はあるのですが、これはとてもひそやかな短い音で、速く言うために口の中、周りのどこにも力を入れず緊張させない、という音です。英語の短母音は12ありますが、11の母音のすべてがストレスなしでは「速く言うために」 /ə/ になる傾向があります。詳しくは HP 上の自著の第3章「英語のキーボード」をご覧ください。
by MichikoSimon
| 2006-11-18 00:05
| イギリスにて
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